どうか安らかに。

激務の一週間が終わりました。

日勤も９～１０時で毎日遅かったけれど、昨日の夜勤も終わったのは昼過ぎ。
しかも急遽頼まれた資料の作成にも追われて睡眠不足だったのでフラフラで帰宅して
バタンキュー(+_+)

３時間ほど寝て、夕飯の支度。
ちなみに昨夜はほうれん草の肉あんかけと豆腐とネギとわかめのお味噌汁。
大したものじゃなくても、私が作ったものを嬉しそうに食べる旦那さまを見ながら、
丸二日近い時間を埋めるように色んなことを話しました。

＊＊＊

夜勤の最中、受け持ちのおじいちゃんが、「いつもと違う、なんか変」と思いました。
（あえて簡単に表現していますが、変と思う所見が色々あったのです。）
一緒の夜勤のスタッフも同じように思い、本人は「大げさにせんでいい」と言ってい
ましたが、気になったので心電図のモニターをつけさせてもらい、まめに訪室して状
態観察して、主治医にも報告していました。

そして、朝が来ました。
日勤さんに送りをしたら個室に移した方がいいよねって夜勤で相談していたのですが
日勤さんに送る前、声をかけたり検温するとやはりぼんやりしているので、朝は食べ
るのが危険と判断し下膳させてもらいました。

そして日勤に送りを始めてまもなくのことです。
突然モニターのアラームが鳴り出し、心拍数が下がっていました。
数人でかけつけましたが既に意識がなく、医師と救急蘇生にあたりましたが処置のか
いもなく、かけつけたご家族の方が見守る中、そのまま還らぬ人になりました。

あんなに気がかりで何度も足を運んでいたのに、日勤さんに送りにナースステーショ
ンに戻った途端の出来事でした。
送りが終わったら部屋移動にまた訪室する気でいたので、やりきれなさが残ります。

一人で苦しんだんじゃないだろうか、とか、あの時もう少し部屋にいたら助けてあげ
られたんじゃないか、とか・・・
急変からの記録に追われながらも頭によぎるたびに涙が浮かんでしまいました。
一緒に働いていたスタッフが「頑張って書いて、早く終わらそう。そしたら一緒に＊
＊さんのこと想ってゆっくり泣けるから。」といいました。

たくさんのナースコールを鳴らしたおじいちゃんのコールが鳴ることはもうありませ
ん。いつも私がお部屋に行くと今日は日勤か、遅番か、夜勤か、と勤務を聞いてきた
り、仕事をしていても部屋の担当が違うことが続くと、最近見なかったな、というお
じいちゃん。何回も呼んでわりぃなぁ、と謝るおじいちゃん。

どうか安らかにお眠りください。

コメント 17

やり残したこと、思えば限りなく、
でも、自分の中では消化しないといけないこと、ですよね。
思えば限りなく、といっても、どこまで出来たかも解らないことでもありますよね。
死に向かい合うと、いつも感じます。
もう少し、まだやれることが、と。
それが、個人の思いであっても、仕事であっても、変わらないかもしれませんね。
思いそのものというのは。
by アキオ (2005-02-12 10:19) 

＊＊アキオさん＊＊
いつもコメントありがとです。
今日もおじいちゃんの昇っていった青空を見上げてぼんやりして
しまっています。
そんなときはやはりドリカムの朝がまた来るを聴いてしまう私。
by ひな (2005-02-12 10:33) 

ひなさんたちが、一人一人の患者さんに真摯に向き合ってくださっていることがとてもうれしいです。
やりきれなさ・・・どこまでやればいいのか私にはわかりませんが、今はおじいちゃんの冥福をお祈りします。
by りんたろ (2005-02-12 13:33) 

こんにちは、お久しぶりです。
やりきれなさを感じること、私もあります。
生き続けることをしてあげられなかったというやりきれなさ。
私も親類や友人が亡くなったときにはすごく感じました。
写真の青空、とても澄んでいて気持ちがいいですね。
青がきれい。
空を見ていたら、悲しみや悩み、苦しみを和らげてくれるような気が
するので、毎日朝になると、一度は眺めるようにしています。
おじいさんのご冥福をお祈り致します。
by norinori (2005-02-12 13:36) 

＊＊りんたろさん＊＊
こんにちは。
本当は心の切り替え、オンオフが下手な分、こういった仕事の重さも
ダイレクトに受けてしまうので辛いときもあります。
でも、やっぱり悔やんでも何も現実は変わらないけど、振り返って一
度立ち止まってみることが大事だと思っています。
＊＊ｎｏｒｉｎｏｒｉさん＊＊
空はぼんやりＰＣに座った時になんだか雲が昇っていっているように
見えて写真に撮りました。
ベランダからなので電線も写ってしまったけど、そのあと雲がす～っ
と消えてしまいほんの短い間だけの存在でした。
おじいちゃんはもういないけど、私はまだ生きているから、乗り越えて
いかなければならないんだなって思います。
by ひな (2005-02-12 15:19) 

　私も昔やりきれない思いをしたことがあります。先輩と朝の清潔援助を終え、痰を吸引し、つきそいの奥さんが「すっきりしたね。おじいちゃん。」と嬉しそうにしている姿をみてその部屋を後にしました。その日は、その方の担当ではなかったので、その方の部屋に行くことはないはずでしたが、昼前ごろ、その奥さんからナースコールが。「苦しそうです。」と。行くと痰がつまってチアノーゼ状態。「今日の看護婦さん全然来てくれないんです」と切実な訴え。その日、その先輩に初めて意見をしました。私には信じられないけれど「忙しかったから行く間がなかった」と平然と言いました。「しょうがないじゃない」と。その人はまだ現役ナース。その人にひなさんのブログを読んで欲しい。人の命と向き合う私達の仕事は、本当に真剣にとりくまないと、取り返しのつかない事につながります。医療に携わる人がみんな、ひなさんみたいだったらな～。長くてスミマセンでした。
by momosuga (2005-02-12 16:52) 

ひなさんのコメントを読んで，空の写真の意味がわかりました。
私のプログ名の「飛行機雲」は，ユーミンの「ひこうき雲」という歌からとりました。この歌，大好きなんです。
この歌の中で，子どもがその一生を終え，天に召されていく姿をひこうき雲にたとえて歌っています。
人がその一生を終えると天に昇っていく，なんか自然にそう思えます。
by 素人写真 (2005-02-12 17:30) 

＊＊ momosuga さん＊＊
そうなんですよね。確かに忙しいけど、それは理由にはならないし
絶対に理由にしてはいけないことです。
おじいちゃんは吐いたものがつまったようでした。
だからこそ、その瞬間にいてあげられたら、というやりきれなさが
残るのです。
＊＊飛行機雲さん＊＊
そうでした☆うっかり写真をＵＰし忘れ追加したのにコメントを追加
していなかったのですね(^^ゞでもわかってもらえてよかったです。
ユーミンの曲知ってますよ。そこから取ったのはお初で知りました。
by ひな (2005-02-12 19:04) 

空がきれいです。。。
by kiyo (2005-02-12 22:32) 

くー、激務すぎ。
睡眠時間は似たようなものかもしれませんが、仕事のテンションが比較するのもおこがましいほどです。
美しい空に救われます。
by seita (2005-02-13 00:48) 

その後のひなさんやご家族の様子を見て、おじいちゃんも最後まで生きた実感をもって安らかに眠られたと思います。
空っていろんな表情を持ってますよね。まるで鏡のようです。
by chocolab (2005-02-13 04:29) 

＊＊ｋｉｙｏさん＆ｓｅｉｔａさん＊＊
ね、こんな空に少し救われた気がします。
＊＊ちょこらぶさん＊＊
あまりに嫌な予感が的中し（ナースのこういう嫌な予感は結構当たります。）
みんな必死に処置しながら何度も名前を呼びました。
穏やかな顔だったのが救いです。
by ひな (2005-02-13 08:28) 

長く入院している間に、ひなさんのことがお孫さんみたいに思えていたから、勤務時間帯を訪ねたり、「最近見なかったな」ってひなさんの事を気にかけてらしたのかもしれませんね。
きっと、おじいちゃんは、天寿を全うされたのだと思います。ひなさんは後悔の思いが残るかもしれませんが、おじいちゃんは、ひなさんにいっぱい感謝されたことと思います。ご冥福をお祈りいたします。

私の母もナースですが、ひなさんと同じように嫌な予感は当たるものだそうです。「今日、危なそうな人がいるから…」とかという言葉をたまに聞きます。悲しいことに、それが当たるのです。そういう母を見ていたこともあって、ナースの道を選ぶことは出来ませんでした。
by もも・てると「たからもの」たち (2005-02-13 11:08) 

＊＊ もも・てると「たからものたち」さん＊＊
お母さんがナースなんですか。
私の親は医療とは無関係なんですが、私はこの道を選びました。
自分の子どもがいつかできて同じ道を選ぶとしたら、身体の心配を
してしまいそうです(^^ゞ
by ひな (2005-02-13 12:05) 

　ひなさん同感！私も自分の子供がナースになりたい！と言ったら反対するかも・・・。体のことを考えると。最後は自分で決めさせるとは思いますが・・・。やりがいのある良い仕事だとは思うけれど、自分の子供となると複雑です。
by momosuga (2005-02-13 14:16) 

こんにちは、また来てしまいました。
私の知人で、最近おじいさんが亡くなった人がいて、頑張っておじいさんネタを書いてみたのですが、私の文章力ではお笑いのようになってしまいました。
そこで、ひなさんの助けをお借りしようと思いまして、私のところの元記事からリンクを張らせて頂きました。ご報告です。
チョコチョコ覗かせてもらってます。お忙しいようですが、お体に気をつけて下さいマシ。
http://sky.ap.teacup.com/ma10giwa/109.html
by ドーナツ屋の元主人 (2005-03-28 14:00) 

http://www.japan-hotels.hippy.com/
by Youkimu (2006-01-13 02:33)